晴天に恵まれた8月1日、八洲が信頼を寄せる南鮪漁船「第八太和丸」(たいわまる)が静岡県の清水港に寄港しました。南太平洋のオーストラリア・シドニー沖から約5カ月に渡る航海を終えたこの日の水揚げはメインの南鮪を中心に総量190tと大漁。今回の漁を船頭として任されてきた山下浩明さんに、今の想いを聞きました。
3月に日本を出発した「第八太和丸」は南方、ミクロネシア辺りを通過して、タスマニア・シドニー沖へ向かいます。そこで潮の流れ、水温で時機を見極めて、南鮪を狙います。 4月の最初はシドニー沖で止まり、まずは袖長鮪を漁獲。南鮪は、4月30日が初縄で6月22日に漁獲制限いっぱいまでの量を獲り終えました。自分が判断した場所で縄を入れて、魚が来た時は、船頭としてやりがいを感じます。今回は南鮪が釣れすぎて、船内の急速冷凍施設で凍結をする際に処理を追いつかせるのが大変でした。漁の出来栄えとしては、100点満点です。
シドニー沖までの航海日数は約20日。鮪漁場の中では日本から日数が掛からず、何度も通っている漁場です。ここでよく獲れるのは、脂が乗っていて良質な約40kgの小ぶりの南鮪。使い勝手のいいサイズと評判で、料理店などからも需要があると聞きます。 よく知っている場所ですが、時化(しけ)もあります。今回は、南緯42度くらいで操業していた時に、海が大きく荒れて。経験上、少し北に戻ると凪になるのですが、そこで時化が過ぎるのを待ちます。1週間くらいはどこへも進めませんでした。
私は、高知県の港町・室戸の生まれです。叔父達も漁師で、自分も自然と船に乗るように。最初は機関部でエンジンの運転管理を担っていましたが、元々魚を釣るのは好きで、周りに推されて船頭を任されるようになりました。 船頭になってもうすぐ10年。八洲水産とは、「第八太和丸」の前に乗っていた船で船頭をしていた時からの付き合いです。水揚げした時に、毎回、自分が思っているような評価をしっかりしてくれる。そうして信頼関係を深めてきました。次の漁では、新たな漁場にも挑んでみたいと思います。